④サブネット化したときのホストアドレスと2進数
今回は、IPアドレスをサブネット化したときにホストアドレスがどのようになるか、お話しします。
内容は、CCNAの試験用に書いていますが、実際の現場でもこの知識は必ず役に立ちます。例えば、どこかの部門が何かサービスを提供したいから、「ホストに40個割り当てられるIPアドレスを割り当てたい」といった依頼が来たとします。その時、ホストアドレスの範囲を理解していれば、IPアドレスを割り当てるすることができるようになります。
「40個のホストアドレスだから、/26にすればいいか。ホストアドレスは、62個も設定できるから」といった感じです。
この記事ををじっくり読んでいただければ、サブネット化したときのホストアドレスの範囲を理解できるようになります。
Contents
192.168.0.0/24のネットワークで見ていく
192.168.0.0/24の場合、1つのネットワークでホストアドレスが254個持てます。IPアドレスの範囲としては、192.168.0.0〜192.168.0.255までの合計256個ですが、最初はネットワークアドレス、最後はブロードキャストアドレスです。
したがって、-2 をして254個です。
次に192.168.0.0/24から2ビット拡張して/26にしてサブネット化した場合、このような表になります。
ネットワークアドレスが4個、ホストアドレスは、1つのネットワークにつき62個です。サブネット化した時も、最初がネットワークアドレス、最後がブロードキャストアドレスになります。
ただ、10進数の表記だと、サブネット化した時にどこからどこまでがホストアドレスで、ネットワークアドレスは何で、、というのがわからないですよね。それをちゃんと理解するには2進数で見てみる必要があります。
サブネット化した時の数を2進数で見ていく
サブネット化した4つの中から1番初めから見ていきましょう。
①192.168.0.0/26
最初は、192.168.0.0/26です。それぞれのアドレス帯を2進数にしています。
注目するのは、ホスト部のビットです。今回の例ではホスト部は6ビットです。
ホスト部のビットが全部0はネットワークアドレス、全部1はブロードキャストアドレス、それ以外がホストアドレスになります。
2進数と10進数の変換については、下記の表を使うと便利です。
第4オクテットを2進数から10進数に変換してみましょう。変換するときは、サブネットワーク部とホスト部の8bitを10進数にするんです。サブネットワーク部のビットは赤色にします。
- ネットワークアドレス:00000000 → 0
- ホストアドレス:
- 00000001 → 1 (20) ==> 0+0+0+0+0+0+0+1
- 00111110 →62 (25+24+23+22+21)==> 0+0+32+16+8+4+2+0
- ブロードキャストアドレス:00111111 →63 (25+24+23+22+21+20)==> 0+0+32+16+8+4+2+1
②192.168.0.64/26
次に192.168.0.64/26です。さっきと同じようにそれぞれのアドレス帯を2進数にしています。さっきと違う点はサブネットワーク部のビットが01です。10進数に変換する時にサブネットワーク部の01も一緒に変換する必要があります。
第4オクテットを2進数から10進数に変換してみましょう。
- ネットワークアドレス:01000000 → 64 (26)==>64+0+0+0+0+0+0+0
- ホストアドレス:
- 01000001 →65 (26+20)==> 0+64+0+0+0+0+0+1
- 01111110 →127 (26+25+24+23+22+21)==> 0+64+32+16+8+4+2+0
- ブロードキャストアドレス:01111111 →63 (26+25+24+23+22+21+20)==>0+64+32+16+8+4+2+1
③192.168.0.128/26
次に192.168.0.128/26です。今度はサブネットワーク部が10です。
第4オクテットを2進数から10進数に変換してみましょう。
- ネットワークアドレス:10000000 → 128 (27)==>128+0+0+0+0+0+0+0
- ホストアドレス:
- 10000001 →129 (27+20)==> 128+0+0+0+0+0+0+1
- 10111110 →127 (27+25+24+23+22+21)==> 128+0+32+16+8+4+2+0
- ブロードキャストアドレス:10111111 →63 (27+25+24+23+22+21+20)==>128+0+32+16+8+4+2+1
④192.168.0.192/26
最後に192.168.0.192/26です。今度はサブネットワーク部が11です。
第4オクテットを2進数から10進数に変換してみましょう。
- ネットワークアドレス:11000000 → 192 (27+26)==>128+64+0+0+0+0+0+0
- ホストアドレス:
- 11000001 →193 (27+26+20)==> 128+64+0+0+0+0+0+1
- 11111110 →254 (27+26+25+24+23+22+21)==> 128+64+32+16+8+4+2+0
- ブロードキャストアドレス:11111111 →255 (27+26+25+24+23+22+21+20)==>128+64+32+16+8+4+2+1
まとめ
ホストアドレスの範囲を算出する時に押さえておくポイントを書きます。
- ①サブネット化で何ビット拡張したか
- ==> 今回の記事では、2ビット拡張した
- ②サブネット化によってサブネットが合計何ビットになるか
- ==> 今回の記事では2ビット拡張したので、合計26ビット
- ③サブネット化した時にホスト部は何ビットになったか
- ==> 今回の記事では6ビット
- ④2進数をを使って、10進数に変換できることの理解
- ==> 2進数から10進数の変換の表を覚えておく。
- ⑤ホスト部からホストアドレスを算出する
- ==> ネットワークアドレスはホスト部のビットがすべて0
- ==> ブロードキャストアドレスはホスト部のビットがすべて1
- ==> それ以外がホストアドレス
なかなか、長いですね。1回読んだだけではなかなか理解できないと思います。問題を解きながら疑問に思った場合、この記事を見ると、サブネット化とホストアドレスの算出の理解がグッっと深まると思います。