Cisco ルータ・スイッチの初期化の方法(Cisco IOS操作の基礎)
Ciscoルータ・スイッチを初期化は、①startup-configの削除、②システム再起動の2つのステップを踏むだけです。この2つのステップだけですが、やり方を間違えると初期化することができません。ただ、IOS起動時の動きを理解していれば、間違えることはないと思います。
今回は、具体的にコマンドで消す手順やIOS起動時の動きと実際の現場でよくあるミスをお伝えします。
CCNA ICND1を受験される方やCisco IOS初期化コマンドを見つけたい方の参考になればと思います。
Contents
IOS ルータやスイッチの初期化のコマンド
①startup-configの削除
特権EXECモード(#)で、「erase startup-config」を実行します。”Erase of nvram: complete”が表示されれば、削除成功です。nvramは、startup-configがあるメモリの名前です。
eraseは、英語で消すという意味ですね。
router02#erase startup-config Erasing the nvram filesystem will remove all configuration files! Continue? [confirm] ←[Enter]キー [OK] Erase of nvram: complete router02# |
startup-configが削除されたことを show startup-configで確認します。startup-config is not presentが出ていれば、startup-configは、存在しないので削除完了です。
router02#show startup-config startup-config is not present |
②reloadコマンドで再起動
そのまま特権EXECモードで「reload」コマンドを実行すると再起動します。
router02#reload Proceed with reload? [confirm]←[Enter]キー |
起動してから、初期化されています。下記は、初期セットアップをするか聞かれています。つまり初期化がうまく行ったということです。
— System Configuration Dialog —
Would you like to enter the initial configuration dialog? [yes/no]: |
イメージで初期化を理解する
このイメージを理解すれば、初期化で間違えることはありません。
電源ONになったら、最初にstartup-configが読み込まれます。
次にstartup-configのコンフィグレーションの内容をrunning-configにコピーします。
eraseコマンドでstartup-configを削除すれば、電源ONした時、初期化されたstartup-configが読み込まれます。そして初期化した内容でrunning-configが起動します。初期化成功です。
ちなみにですが、running-configを消すことはできません。コマンドを実行してもエラーとなります。
router02#erase running-config ^ % Invalid input detected at ‘^’ marker.router02# |
【手順の間違い】初期化した後、つい保存してしまう
これは、erase startup-configをした後に、ついつい copy running-config startup-config をしてしまうことです。そうするとどうなるでしょう。今と同じコンフィグレーションで起動してきます。
理由は、起動時は、最初にstartup-configが読み込まれるからです。startupという英語の名前から想像できる通り、最初のコンフィグレーションですね。
せっかくerase startup-config をしても、copy running-config startup-config をすると、今のコンフィグレーションがstartup-configにコピーされてしまいます。そして電源ONすると初期化されていないstartup-configが読み込まれるのです。
実のところ、恥ずかしながら私もこの経験があります。「reloadする前は設定が消えてしまうから copy running-config startup-config をやろう」と体が覚えているしまっているのです。何も考えず実行してしまいました。 そしてreloadコマンドをして、ルータが起動してきたら、全く同じコンフィグレーション。けっこう恥ずかしい思いをしました(笑)
ちゃんと起動をイメージしていれば、こんなことはなかったかなと思いました。
まとめ
今回は、Cisco IOS ルータ・スイッチの初期化をお伝えしました。
初期化するには、2つの手順です。
①erase startup-config、②reload です。
そして、コンフィグレーションが読み込まれる順番を理解することが大切です。
電源ON –> startup-config –> running-config
startup-configを削除すれば、電源ONした時にstartup-configがないので初期化されます。
この流れを理解して、初期化コマンドを実行すれば、私のようなミスはあなたには起きないでしょう(笑)
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