ネットワークの基礎を覚える ③ツイストペアケーブルをマスターする
今回は、ツイストペアケーブルケーブルのお話をします。
ツイストペアケーブルは、一般的にはLANケーブルと呼ばれています。PCとネットワーク機器をつなぐために利用しますよね。そんなツイストペアケーブルには、たくさんの種類があります。時代と共にケーブルも進化してきました。
試験にもこの進化の歴史は、覚えておいたほうがいいですね。
初めての方でも、イメージが湧くようにわかりやすく書いたつもりです。絵を使ったりして覚えやすいように工夫をしています。1度で理解出来なくても何度も読めば、必ず理解出来るようになりますので頑張りましょう!
ツイストペアケーブルとは
ツイストペアケーブルは、電線を2本対で「より」合わせたケーブルです。「より」とは、電線をねじったような感じです。ノイズを抑える効果があります。
elecomのサイトにわかりやすい写真があったのでリンクします。
まだ、よりがイメージできない場合は、ツイストパーマを想像して見ましょう。まさに髪が「より」になっています。
UTPケーブル・STPケーブル
UTPケーブルは、シールド保護なしのケーブルです。UTPは、Unshielded Twisted-Pairです。「Unshielded」なのでシールド保護なしという意味になります。
STPケーブルは、シールド保護ありのケーブルです。Shielded Twisted-Pairです。
ここでは、ケーブルの種類とシールドあり・なしを覚えましょう。
私が現場でLANをつなぐ時に利用する時は、いつもUTPケーブルですね。10年以上現場にいますが、STPケーブルを扱ったことがありません。
カテゴリ
ツイストペアケーブルは、カテゴリに分かれています。数字が増えていくと、品質が高くなって高速になります。
カテゴリと対応している速度は覚えましょう。
表に出てくる「100BASE-T」の意味は、「100は、100Mbpsの速度の意味、Tは、 UTPケーブル」です。
「Mbps」は、速度を表す単位です。bpsの略は、bit per sec。1秒で送ることができるbitの量です。10だったら10Mbps、100だったら100Mbpsです。
カテゴリ | 適用範囲 |
1 | 電話線 コネクタは、RJ11 |
2 | ISDN。ISDNは、電話網を利用してインターネットをするために使用していた。カテゴリ1の電話線より高速 |
3 | トークンリング、10BASE-T |
4 | トークンリング (16Mbps) |
5 | 100BASE-TX |
5e | 1000BASE-T |
6 | 1000BASE-T、10GBASE-T |
6a | 10GBASE-T |
7 | 10GBASE-T。STPケーブル(シールド付き) |
カテゴリー5以上のケーブルをイメージしたい場合は、エレコムのページを見るといいです。
http://www2.elecom.co.jp/cable/lan/index.html
RJ-45コネクタ
RJ45は、ツイストペアケーブルの両端に取り付けるコネクタです。
下の写真がRJ-45コネクタです。LANケーブルを見たことがある方は、ご存知でしょう。
RJ-45というキーワードを覚えられないあなたにとっておきの覚え方があります。
ストレートケーブルとクロスケーブルとロールオーバケーブル
ケーブルは、3種類あります。
接続する機器の種類によって、利用するケーブルが異なります。ケーブルは、8本の銅線で作れています。8本の銅線には色があります。そして、RJ45コネクタに取り付けるピン番号が決まっています。
RJ45コネクタのピン番号
RJ45コネクタには、ピン番号があります。1〜8番のピン番号です。ケーブルの種類によって、8本の銅線を取り付ける番号が異なるのです。
ストレートケーブルの配線
8本の導線は、ストレートになっています。両端同じピン番号につなげます。
図のように、両端をTIA/EIA-568-A同士、もしくはTIA/EIA-568-B同士で配線します。このように配線には2種類あります。
TIA/EIAは、規格の名前です。TIA/EIA-568-AとBの規格によって、どの色を何番目にするのか違ってきます。もちろん、どちらにしてもちゃんと使用することができます。
TIA/EIA-568-Aのストレートケーブルの場合
TIA/EIA-568-Bのストレートケーブル
2つのストレートケーブルの違い
このように並べると若干異なります。ピン番号の1、2、3、6が違っています。
クロスケーブル
8本の導線は、クロスになっています。両端同じピン番号につなげます。
図のように、片側を「TIA/EIA-568-A」もう片側を「TIA/EIA-568-B」で配線します。
【100BaseTX クロスケーブル】
実物での見分け方
こんな風にすると区別できます。両方にあるRJ45コネクタを並べてみると、ストレートケーブルかクロスケーブルか見分けることができます。下の写真はストレートケーブルです。両方のRJ45コネクタのケーブルの色が同じ(ストレート)だからです。同じピン番号に同じ色の銅線があるということです。
ロールオーバケーブル
こちらは、全部配線が逆になっています。パソコンからルータのコンソールに接続する、「シリアルケーブル」で利用します。シリアルケーブルは、今後Ciscoルータのセットアップのときに登場します。
どちらのケーブルを利用するの?
それは、MDI機器とMDI-X機器の接続によって異なります。
MDI機器は、コンピュータとルータです。コンピュータには、パソコン、ノートパソコンなどLANポートを持った機器です。
MDI-X機器は、ハブ、スイッチです。
では、どちらのケーブルを利用するかは、以下の組み合わせで決まります。
- ストレートケーブル
- MDI機器とMDI-X機器との接続
- クロスケーブル
- MDI機器同士
- MDI-X機器同士
なぜ、MDIとMDI-Xに分かれているかというと、送信と受信に使用するピンの番号が違うからです。
送信 | 受信 | |
MDI | 1番、2番 | 3番、6番 |
MDI-X | 3番、6番 | 1番、2番 |
具体的にストレートケーブルのケースで見てみます。
ストレートケーブルは、MDI機器とMDI-X機器との接続は、OKです。送信と受信のピン番号が一致しているからです。
MDI機器同士は、NGです。ピン番号が異なるからです。※ケーブルをつなげてもLinkが上がりません。
ここで重要な点は、以下の通りです。CCNAの試験にも100%出ます。必ず覚えましょう。
- MDI、MDI-Xの機器
- ストレートケーブルを利用する場合
- クロスケーブルを利用する場合
余談ですが、私は現場で工事業者さんに発注するときにこのケーブルの種類を間違えました。ルータ同士の接続なのにストレートケーブルで発注してしまったのです。もちろん、使用できず全て交換しました。今思い出してもトホホな経験でした。
Auto MDI/MDI-X対応
接続先の機器がMDIかMDI-Xか自動的に判断して切り替えてくれる機能です。
この機能によって、ストレートケーブルとクロスケーブルを考慮する必要がなくなりました。例えば、MDI機器同士、MDI-X機器同士にストレートケーブルを利用することができます。
現在、市販されているものは、このAuto MDI/MDI-Xに対応している製品が多いです。
私も当時MDI/MDI-X対応機器だったら、トホホな経験をすることがありませんでした。
最後に
今回は、ツイストペアケーブルについてお伝えしました。机上だけで理解するのは、少し難しいかもしれません。もし近くにLANケーブルがあるようでしたら、実物を見た方がイメージが湧きます。
RJ45コネクタはどうなっているんだろう、ケーブルの種類はどっちだろう、配線の色はどうなっているんだろう、というのを是非見てください。
“ネットワークの基礎を覚える ③ツイストペアケーブルをマスターする” に対して1件のコメントがあります。