ルーティングの基礎を勉強する
今回はルーティングの基礎についてお話しします。
ルーテイングについてこれから学習する方向けに書いています。ルーティングを学習していくと、ネットワークの理解が深まるようになり、本当に楽しく感じてきます。わからない用語を丸暗記するのは辛いですが、動作の理解は、「なるほど、なるほど」と理解が深まることがよくわかり楽しいなと、私は思います。
ルーティングについて
ルーティングとは、パケットのあて先IPアドレスを見て、適切なところに転送することです。
パケットというのは、データの小さい単位です。1度に大きいデータを送ることはできないので、パケットという小さい単位に分割してデータを送ります。
パケットには、届けたい相手の「あて先IPアドレス」やデータの情報が入っています。このあて先IPアドレスを見て、どこに転送すればいいか決めています。適切なところにパケットを転送する情報をルーティングテーブルといいます。このルーティングテーブルを見て、ルーティング処理するのが得意なのがルータです。
絵を見ながらルーティングを理解する
では、ルーティングについて絵を見ながら順番に見ていきましょう。
ホストAからホストBに通信する流れを見てみます。通信する時は、相手を特定する必要があるので、IPアドレスを用います。
パケットに書いてあるIPアドレスは、あて先:192.168.1.100、送信元(差出人):192.168.0.100です。あて先は、名前の通り相手になるのでホストBのIPアドレスです。送信元は自分のことです。
ホストAが送信したパケットは、ルータに届きます。ルータは、①あて先IPアドレスを見る②ルーティングテーブルにあて先IPアドレスがあるか確認する③ルーティングテーブルに従って転送 します。この①〜③は、ルーティングの動作を覚えるのに最も重要です。
次にルータの動作を・・・の前にルーティングテーブルの話を。
基本的にルーティングテーブルに書いてある内容としては、大まかにはこんな感じです。
- 情報源:どうやってルーティングを学習したか。
- ネットワーク:ネットワークアドレス(サブネットアドレス)
- インタフェース:出力(転送)するインタフェース
- ネクストホップ:Next-hop。次の送信先のIPアドレス
上の絵のルーティングテーブルに書いてある内容としては、
- 情報源の直接接続は、ルータが直接知っているネットワーク。192.168.0.0/24、192.168.1.0/24ともにルータが知っているネットワーク。Cisco実機のルーティングテーブルの表記は、C(Connected)です。
- ネットワーク:ホストAが所属する192.168.0.0/24、ホストBが所属する192.168.1.0/24。
- インタフェース:ルータがそのネットワークに転送する時に使用するインタフェース。192.168.0.0/24側だったらGi0、192.168.1.0/24側だったらGi1
- ネクストホップ:なし。2つのネットワークは直接接続のため。
ルータは受け取ったパケットをルーティングテーブルを見て、適切なところに転送します。さて、今回のパケットはどのルーティングテーブルを見るでしょうか。
正解は、下のルーティングテーブルです。
ルータは、あて先IPアドレスを見て転送します。あて先IPアドレスは、192.168.1.100なので192.168.1.0/24のルーティングテーブルを見てGi1からパケットを転送するのです。
少し補足。ルーティングは別ネットワーク間のパケットを転送する
私が学習初期の頃、よくわからなかった項目だったのでここで補足します。
今回のケース、転送するのがスイッチだったら、正確に言うとL2スイッチだったら通信できません。スイッチは、別ネットワーク間をルーティングすることができません。L2スイッチ、つまりレイヤー2スイッチです。ルーティングは、レイヤー3のIPアドレスを見て転送です。レイヤー2はMACアドレスです。L2スイッチは、MACアドレスを見て転送します。
ホストAは、192.168.0.0/24というネットワークで、ホストBは192.168.1.0/24というネットワークで、別々のネットワークなんです。この別のネットワーク間を転送できるのがルーティング機能を持っているルータなんです。(L3スイッチもルーティング機能を持っているのでルーテイングができる)
まとめ
|