IPv4アドレスの構成 – ④予約されているIPアドレス

本日は、予約されているIPアドレスについてお話しします。

予約されているIPアドレスとは、ホスト(ノード）に設定できないIPアドレスのことです。つまり、パソコンなどのホストに設定することができません。

予約されているIPv4アドレスは、こんな感じです。

• ネットワークアドレス
• ブロードキャストアドレス
• ループバックアドレス
• リンクローカルアドレス

では、順番にお話ししていきます。

ネットワークアドレス

ネットワークアドレスは、ホスト部のビットをすべて0にしたものです。ネットワークそのものを表します。

ホスト部のビットをすべて0って何でしょう？

クラスCの192.168.0.1 を例にして見てましょう。

クラスCのネットワーク部は24ビット、ホスト部は、8ビットでしたね。

192.168.0までがネットワーク部、.1がホスト部です。2進数にすると00000001ですが、これをすべて0にしたのがネットワークアドレスとなります。つまり192.168.0.0がネットワークアドレスです。

では、ネットワークそのものって何でしょう？

ネットワークそのものって何かというと、192.168.0.1/24と192.168.0.2/24というパソコンがあったとしたら、192.168.0.0/24というネットワークアドレスのことを指します。ホストA(192.168.0.1)とホストB(192.168.0.2)は、192.168.0.0のネットワーク(アドレス)に所属しています。

ルータにとって、このネットワークアドレスはすごく重要です。ルータについては、後ほど詳しくお話ししていきますが、このネットワークアドレスを見てどこに通信すればいいのか、判断しているのです。

ネットワークアドレスは、ホスト部を全部0にしたもの、ネットワークそのものと覚えてください。

ブロードキャストアドレス

ブロードキャストアドレスは、ホスト部のビットをすべて1にしたものです。同じネットワーク内(ブロードキャストドメイン内)のすべてのホスト(ノード)に対して送信するときに使用するIPアドレスです。

ネットワークアドレスと同じようにクラスCの192.168.0.1 を例にして見てましょう。

192.168.0までがネットワーク部、.1がホスト部です。.1は、2進数にすると00000001ですが、これをすべて1にしたのがブロードキャストアドレスとなります。つまり192.168.0.255がネットワークアドレスです。

 

ループバックアドレス

ループバックアドレスは、第1オクテットが127で始まります。これは自分自身を表します。IPv4が利用できる状態ならいつでも利用可能です。何のために利用するかというと、自分自身がIPv4を利用できるのか確認するためです。皆さんのパソコンでも利用できるはずです。

WindowsのＰＣをお持ちの方は、コマンドプロンプトを開いて、ping 127.0.0.1　とすれば応答が返ってくるはずです。pingとは、相手のIPアドレスまで通信できるかどうか確認するツールです。ping 127.0.0.1は、自分自身にpingをしていることになります。

リンクローカルアドレス(IPv4)

リンクローカルアドレスは、DHCPでIPアドレスでの取得を失敗した時に付与されるものです。169.254.0.0/16 の範囲のIPアドレスが付けられます。DHCPとは、パソコンなどDHCPクライアントに対して、自動でIPアドレスを付与する機能です。みなさんの会社のパソコンでもDHCPからIPアドレスを付与されるのではないでしょうか。もしかすると、自宅の無線LANルータがDHCPの機能を持っていて、そこからIPアドレスを付与されているかもしれません。

で、このリンクローカルアドレスは、DHCPからIPアドレスをもらえないと勝手に169.254.0.0/16の範囲からIPアドレスを割り当てます。まとめ

今回は、予約されているIPアドレスをお伝えしました。これはホスト(ノード)には設定できないIPアドレスです。

では、おさらいしてみましょう。

• ネットワークアドレス
  • ネットワークアドレスは、ホスト部のビットをすべて0にしたものです。ネットワークそのものを表す。
• ブロードキャストアドレス
  • ブロードキャストアドレスは、ホスト部のビットをすべて1にしたものです。同じネットワーク内(ブロードキャストドメイン内)のすべてのホスト(ノード)に対して送信するときに使用するIPアドレス。
• ループバックアドレス
  • 第1オクテットが127で始まります。これは自分自身を表します。
• リンクローカルアドレス
  • リンクローカルアドレスは、DHCPでIPアドレスでの取得を失敗した時に付与されるものです。169.254.0.0/16 の範囲のIPアドレス。

以上です！ご覧いただきありがとうございました。