running-configとstartup-configの役割を確実に覚える方法(Cisco IOS操作の基礎)
Cisco IOSには、設定した内容を管理するコンフィグレーションファイル(設定ファイル)があります。コンフィグレーションファイルは、running-configとstartup-configと2つあります。
私がネットワークの勉強の初歩の頃、この2つのファイルの役割をよく混乱して覚えていました。今回はこの2つの役割を確実に覚えるように書いていきます。みなさんがイメージできるように書いていきます。
Contents
running-configとstartup-configの役割と違い
running-configとは
running-configは、動作中に使用するコンフィグレーションファイルです。設定した内容は自動的に保存されます。例えば、動作しているルータにIPアドレスを設定したら、自動的にrunning-configに保存されます。
覚え方としては、動作中なのでrunning。英語の意味のまま理解すると覚えやすいと思います。
電源OFFや再起動すると設定内容は消えます。これはRAMというメモリを使用しているからです。RAMは、稼働中のように一時的に使用するメモリです。running-configとRAMの頭文字のrが同じですね。runing-configのメモリは、頭文字がRのRAMで覚えるといいと思います。
startup-configとは
startup-configは、起動時に読み込まれるコンフィグレーションファイルです。起動とは、ルータの電源がONになったり再起動したりすることです。起動した時にstartup-configの設定内容が読み込まれるのです。このファイルは、自動では保存されないため、コマンドで保存する必要があります。
覚え方としては、起動時のような最初なのでstartup。こちらも英語の意味のままが理解しやすいです。
このファイルは、電源OFFや再起動しても設定内容は消えません。これはNVRAMというメモリを使用しているからです。
ファイルが読み込まれる順番
ルータが起動した時、startup-configとrunning-configがどのように読まれるか、理解することは大切です。
①電源ONした時に最初に読み込まれるのは、startup-configです。
②次に設定内容をrunning-configにコピーします。
③動作中は、running-configを使います。設定変更した内容は、自動的にrunning-configに保存されます。
④【重要】電源OFFや再起動をすると、running-configの内容は消えます。startup-configは消えません。
running-config をstartup-configに保存(コピー)
設定した内容を保存するには、running-configからstartup-configにコピーしてあげる必要があります。
なぜかというと、running-configはRAMという一時的なメモリなので電源OFFや再起動すると消えてしまうからです。せっかく装置に設定をしたのにコピーをしてあげないと、電源OFFや再起動をするとその設定は全て水の泡となります。
copy running-config startup-configコマンド
コピーは、特権EXECモードから copy running-config startup-config です。これでOKです。
router01#copy running-config startup-config Destination filename [startup-config]?←[enter}キーを押す Building configuration… [OK] |
copy コマンドは、「をに」で覚える
copyコマンドの書式は、copy ① ②です。①を②にコピーする。この順序を覚えることはすごく大切です。でも勉強初期だとどっちがどっちだか順番を忘れてしまう時があるんですよね。私がそうでした。
私は、をに(鬼)で覚えました。①を②にコピーです。こうすれば、copy running-config を startup-configにコピーと覚えらるでしょう。
CCNAの試験には出ないが、便利なコンフィグ保存コマンド
write memory でも保存できます。省略形の「wri」、「wr」でもOKです。「w」は、whereになるのでダメです。
私の経験上、copy running-config startup-config はやりませんでした。write memory を使って保存していました。
router01#write memory Building configuration… [OK] router01#wri Building configuration… [OK]router01#wr Building configuration… [OK] router01#w % No connections open router01# [OK] |
コンフィグレーションを表示する
「show running-config」、「show startup-config」で確認できます。
showコマンドは、設定確認、状態確認で利用するコマンドです。
【running-configを表示する】
router01#show running-config Building configuration…Current configuration : 2038 bytes ! ! Last configuration change at 07:32:26 JST Sun Sep 24 2017 ! version 15.4 service timestamps debug datetime msec service timestamps log datetime msec –省略– |
【startup-configを表示する】
router01#show startup-config Using 2038 out of 262136 bytes ! ! Last configuration change at 07:32:26 JST Sun Sep 24 2017 ! version 15.4 service timestamps debug datetime msec –省略– |
まとめ
Cisco IOS のコンフィグレーションファイルのrunning-configとstartup-configについてお伝えしました。この2つの役割を覚えることは結構大切です。
running-configは、動作中のファイルです。動作中なのでrunningという名前です。設定内容は自動的に保存されます。しかし、電源OFF再起動すると内容が消えてしまいます。RAMという一時メモリに保存されているためです。
そうならないために、startup-configにcopyコマンドでコピーしてあげる必要があります。startup-configは、起動時に読み込まれるファイルです。NVRAMというメモリに書き込まれています。